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採用でショート動画は効果ある?現場職で成果を出す設計と運用を解説

堂下 直輝
この記事の監修者|堂下 直輝
公開日:2026年09月30日
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採用でショート動画は効果ある?現場職で成果を出す設計と運用を解説

短い動画を採用に使う会社が増えています。ただ、現場職の採用を担当する立場からは「若い子向けの遊びではないか」「うちの業種でやっても意味があるのか」という疑問が先に立つのが自然です。

結論から言えば、短尺動画はもはや10代のものではありません。総務省の最新の調査では、TikTokの利用率は30代で44.7%、40代で42.6%と、どちらも4割を超えました。40代はこの4年で2.3倍に伸びており、利用は若い世代から上の世代へ広がり続けています。そして現場職の採用は、文章では伝えきれない情報が多いという点で、動画と相性のよい領域です。

この記事では、公的統計で視聴者の実態を確認したうえで、現場職の採用で成果につながる動画の中身、3つのサービスの使い分け、運用体制の作り方、そして失敗しやすい型までを解説します。

ショート動画は「若者向け」ではなくなった

まず前提を数字で確認します。感覚で判断すると、ここを大きく読み違えます。

TikTokの利用率は4年で1.7倍になっている

総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(全年代・標本数1,800)によると、主なサービスの利用率は次のように推移しています。

サービス令和3年度令和4年度令和5年度令和6年度令和7年度
LINE87.2%88.9%89.8%91.1%92.9%
YouTube79.1%78.4%79.9%80.8%81.5%
Instagram41.5%43.1%48.4%52.6%54.8%
TikTok21.6%24.5%27.8%33.2%36.7%

TikTokの利用率は令和3年度の21.6%から令和7年度には36.7%へ、4年で1.7倍に伸びています。Instagramも41.5%から54.8%へ増え、全年代の過半数が使う状態になりました。

「若い人しか使っていない」という認識は、数年前の状態を指しています。

40代・50代の利用率が採用ターゲットと重なる

さらに重要なのは年代別の内訳です。同じ調査の令和7年度の数値です。

年代YouTubeInstagramTikTok
全年代81.5%54.8%36.7%
10代95.0%69.3%67.9%
20代96.3%82.6%61.5%
30代94.0%76.6%44.7%
40代91.6%67.1%42.6%
50代84.9%54.4%32.2%
60代72.6%36.1%21.2%

注目すべきは40代です。TikTokの利用率は42.6%で、30代の44.7%とほぼ同じ水準にあります。令和3年度の18.8%から4年で2.3倍になり、伸び方は30代(23.5%から44.7%)より大きくなっています。Instagramも67.1%と高い水準です。YouTubeに至っては10代から40代まですべて90%を超えています。

現場職の中途採用で中心となるのは20代後半から40代です。この年代は、いずれのサービスでも十分な利用率があります。動画を届けられない年齢層ではありません。

「見ている」と「応募する」は別だが、入口にはなる

もちろん、利用率が高いことと採用につながることは同じではありません。ただし求職活動の入口は確実に変わっています。

求人媒体で会社名を見た候補者は、応募する前にその会社を検索します。このとき出てくるものが求人情報だけであれば、判断材料がないまま比較されます。動画があれば、働く場所と人を先に見てもらえます。

現場職の採用で動画が効く理由

すべての業種で同じ効果が出るわけではありません。現場職に固有の理由があります。

文章では伝わらない情報が多い

現場職の仕事内容は、文章にすると抽象的になります。「各種工事に伴う作業全般」「製品の加工および検査」と書いても、実際に何をするのかは伝わりません。

一方、動画なら10秒で伝わります。どんな道具を使うのか、何人で作業するのか、屋内か屋外か、どのくらい重いものを扱うのか。応募をためらう理由の多くは、この具体像が分からないことにあります。

会えれば決まる。だから会う前の不安を減らす

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)」参考統計表8-1(常用・パートを除く・全国計)の紹介件数と就職件数から算出すると、紹介後に就職へ至った割合は土木作業従事者で50.1%、建設躯体工事従事者で47.7%です。一般事務従事者の13.5%と比べると3.7倍にあたります。

現場職は、候補者と実際に会えれば高い確率で決まります。裏を返せば、採用できていない会社の多くは会う手前で落としているということです。

動画の役割はここにあります。応募する前の不安を減らし、面接に来る理由を作ることです。応募後の対応設計については応募者が面接に来ない原因で詳しく解説しています。

掲載を止めても残る

求人媒体への出稿は、止めた瞬間に応募がゼロになります。毎月同じ費用がかかり、蓄積しません。

動画は投稿した分が残り、後から見られます。初期の手間はかかりますが、継続的な出稿費は下げられます。費用の考え方は現場職の採用単価で整理しています。

3つのサービスの違いと使い分け

短尺動画を投稿できる主なサービスは3つです。性格が違うので、目的で選びます。

サービス強み向いている使い方
TikTok未フォロワーにも届きやすい認知を広げる・地域の若手に知ってもらう
Instagramリール保存と共有がされやすい会社の雰囲気を継続して見せる
YouTubeショート長尺動画への導線がある短編で興味を持った人を詳しい説明へ運ぶ

どれか1つから始める

3つすべてを同時に始めると、撮影と編集の負担が3倍になり、たいてい続きません。

まずは1つ決めて、同じ動画を他のサービスにも投稿する形が現実的です。縦型の短い動画は共通で使えるため、追加の手間はほとんどかかりません。

業種別の運用は個別の記事で

業種ごとの具体的な運用方法は、建設業のTikTok運用、運送会社のTikTok活用、製造業のYouTube運用、建設会社のInstagram運用、運送会社のInstagram活用でそれぞれ解説しています。

何を撮るか|現場職で反応が出る型

ここが実務の中心です。撮るべきものと、撮らないほうがよいものがあります。

1日の流れ

朝の集合から作業、休憩、片付け、退勤までを順に見せます。求職者が最も知りたい情報です。

特に始業時刻、休憩の取り方、終業時刻は文字で書くより伝わります。残業の実態を隠さずに見せたほうが、入社後の定着につながります。

給与や待遇を本人が話す

求人票に書かれた金額より、実際に働いている社員が話す内容のほうが信用されます。

入社時にいくらだったか、今いくらか、何年でどう上がったか。個人が特定されない範囲で構いません。手当や賞与の実態も同様です。

若手社員のリアル

同年代がいるかどうかは、現場職の応募判断で大きな比重を占めます。入社1年目、3年目の社員が、未経験から何ができるようになったかを話す動画は反応が出やすい型です。

先輩がどう教えているかを見せると、未経験者の不安が下がります。

職人の技術

作業そのものの映像は、採用目的を超えて見られることがあります。溶接、左官、大型車の車庫入れなど、技術が目に見える作業は視聴数が伸びやすい領域です。

ただし視聴数が伸びても応募には直結しないことがあります。技術の動画は認知を広げる役割、1日の流れや社員の声は応募を生む役割と、目的を分けて考えてください。

撮らないほうがよいもの

社長や役員だけが長く話す動画は、求職者の関心と合いません。会社の沿革や経営理念を冒頭に置くのも同様です。

また、安全管理上の問題がある映像は絶対に避けてください。保護具の未着用、危険な体勢での作業が映っていると、採用以前に会社の評価を落とします。撮影前に現場の責任者に確認する手順を必ず入れてください。

30秒の組み立て方

内容が決まっても、順番を間違えると最後まで見てもらえません。短尺には型があります。

冒頭の2秒で「誰向けか」を出す

短尺動画は、最初の数秒で見続けるかどうかが決まります。会社名やロゴから始めると、その時点で離脱します。

冒頭に置くべきは、見てほしい相手が自分のことだと分かる一言です。「未経験から入って3年目です」「大型免許なしでも始められます」「○○市の現場で働いています」。ここで対象が絞られるので、視聴数は減りますが応募につながる人だけが残ります。

30秒の構成例

秒数内容目的
0〜2秒誰向けかを一言で対象者に止まってもらう
2〜10秒結論・いちばん伝えたい事実続きを見る理由を作る
10〜25秒具体的な映像と説明判断材料を渡す
25〜30秒次に何をすればよいか応募・プロフィールへ誘導

長い前置きを置かず、いちばん伝えたいことを先に出す構成です。テレビ番組のような「起承転結」は短尺には合いません。

音がなくても伝わるようにする

移動中や休憩中に音を出さずに見る人が一定数います。話している内容は文字でも入れてください。

自動で文字起こしする機能がありますが、専門用語や社名は誤変換されます。投稿前に必ず確認してください。

撮影の段取り

続けるためには、撮影を特別な行事にしないことが重要です。

1回の撮影でまとめて撮る

毎回セッティングから始めると負担が大きくなります。月に1回、半日を確保して4〜8本分をまとめて撮る形が現実的です。

撮る内容を事前に決めておき、当日は撮影だけに集中します。編集は後日、別の担当者が行っても構いません。

撮る前に現場の許可を取る

他社の現場に入っている場合、撮影そのものが契約上できないことがあります。元請けや施主の許可が必要かどうかを、撮影計画の段階で確認してください。

自社の敷地内であっても、保護具の着用状況や立入禁止区域の映り込みは事前に確認が必要です。

出演者の同意を書面で取る

社員が映る動画は、本人の同意なく公開できません。どのサービスに投稿するのか、退職後も公開を続けてよいか、削除を求められたときにどうするかを、あらかじめ書面で確認しておいてください。

口頭の了解だけで進めると、退職時にすべて削除することになり、蓄積が失われます。

撮影者を固定しない

1人に任せると、その人が忙しい月は投稿が止まります。複数の現場に撮影担当を置き、持ち回りにしたほうが続きます。

品質は揃いませんが、短尺動画では整った映像より現場の実物のほうが効果があります。

運用の設計|続けるための体制

内容が正しくても、続かなければ成果は出ません。設計の話です。

撮影は現場の社員に任せる

外部に撮影を依頼すると、1本あたりの品質は上がりますが本数が出せません。短尺動画は本数が必要なので、現場の社員がスマートフォンで撮る形が現実的です。

撮影担当を決め、業務時間内に撮ってよいことを明文化してください。個人の善意に頼る運用は必ず止まります。

投稿頻度は「続けられる下限」で決める

毎日投稿できれば理想ですが、続かない計画に意味はありません。週2本でも、半年続けば50本以上になります。

始めた直後は反応がほとんど出ません。ここで止める会社が多いのですが、蓄積するまでに時間がかかる施策だと理解したうえで期間を決めてください。

何を測るか

視聴数だけを追うと、採用と関係のない動画ばかりが増えます。見るべき指標は次の順です。

第1に、採用ページや求人への遷移数。第2に、応募数のうち動画を見たと答えた人の割合。第3に、会社名の検索数。視聴数は4番目です。

面接時に「どこで当社を知ったか」を必ず聞いて記録してください。この記録がないと、動画の効果を測る方法がなくなります。

応募導線を必ず置く

見た人が次に何をすればよいかが分かる状態にしてください。プロフィール欄に採用ページへのリンクを置く、動画の最後に応募方法を入れるといった対応です。

問い合わせが投稿へのコメントや個別メッセージで届くこともあります。誰が返信するのか、何時間以内に返すのかを事前に決めておいてください。

失敗しやすい型

うまくいかない会社には共通のパターンがあります。

バズることを目的にしてしまう

視聴数が伸びても、見ている人が採用対象の地域や年代でなければ応募にはつながりません。流行に乗った内容は視聴数こそ出ますが、会社のことが何も伝わらないため記憶に残りません。

現場職の採用では、通勤できる範囲に住んでいる人に届くことが重要です。地域名や現場の風景を意図的に入れてください。

会社紹介動画をそのまま短く切る

既存の長い動画を切り出して投稿する方法は、手間はかかりませんが反応が出ません。長尺向けに作られた映像は、冒頭の数秒で興味を引く構成になっていないためです。

短尺は最初の2秒で見続けるかが決まります。撮り直したほうが結果は出ます。

担当者が異動して止まる

1人の担当者に依存した運用は、その人がいなくなった時点で終わります。撮影のルール、投稿の手順、返信の基準を文書にしておいてください。

採用のショート動画に関するよくある質問

フォロワーが少なくても効果はありますか

短尺動画は、フォロワー以外にも表示される仕組みを持っています。フォロワー数より、動画の内容が視聴者に合っているかのほうが影響します。

撮影機材は何が必要ですか

スマートフォンで十分です。屋外の撮影では風の音が入るため、簡易的なマイクがあると聞き取りやすくなります。三脚があると手ぶれを減らせます。

社員が顔出しを嫌がります

強制はできません。手元の作業、後ろ姿、現場の風景だけでも成立します。まず協力してくれる社員から始めて、反応が出てきた段階で広げるのが現実的です。撮影した映像の使用範囲について、本人の同意を書面で取っておいてください。

どのくらいで応募が来ますか

業種と地域によって差が大きく、断言できません。数か月で反応が出る場合もあれば、1年かかる場合もあります。掲載を止めれば止まる求人媒体とは性質が違うため、短期の成果を求める採用と併用する形が現実的です。

代行会社に任せたほうがよいですか

撮影と編集を外部に任せ、出演と企画を社内で持つ組み合わせが続きやすい形です。すべてを外部に任せると現場の実態が伝わらず、動画の内容が一般的なものになります。

何本くらい投稿すれば反応が出ますか

本数だけで決まるものではありませんが、10本程度では判断材料になりません。同じ型で30本以上投稿して、そのうちどの型が見られたかを比べる段階で初めて傾向が見えます。

退職した社員が映った動画はどうすればよいですか

事前の同意の内容に従ってください。同意書に退職後の扱いを書いていない場合は、本人に確認したうえで判断することになります。この確認の手間を避けるためにも、最初の同意書に含めておくことをおすすめします。

炎上が心配です

現場職の採用動画で問題になりやすいのは、安全管理と労働時間に関する内容です。保護具の未着用、長時間労働を美談として扱う表現は避けてください。投稿前に、現場の責任者と労務の担当者が確認する手順を入れておくと防げます。

求人媒体をやめて動画だけにできますか

すぐには置き換えられません。動画は蓄積するまでに時間がかかるため、当面は併用してください。動画経由の応募が安定してきた段階で、出稿の配分を見直すのが現実的な順序です。

まとめ

短尺動画の利用率は、令和3年度から令和7年度の4年でTikTokが21.6%から36.7%へ、Instagramが41.5%から54.8%へ伸びました。40代のTikTok利用率は42.6%と30代の44.7%に並ぶ水準まで上がり、YouTubeは10代から40代まで90%を超えています。現場職の採用ターゲットに届く手段になっています。

現場職は、紹介後に就職へ至る割合が土木作業従事者で50.1%と高く、会えれば決まる仕事です。動画の役割は、応募前の不安を減らして会う確率を上げることにあります。

始めるときは、1つのサービスに絞り、1日の流れと社員の声から撮り、視聴数ではなく応募への遷移を測ってください。続けられる頻度を決めることが、内容の良し悪しより先に効きます。

実際に採用につながった事例は導入実績にまとめています。

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堂下 直輝

この記事の監修者|堂下 直輝

1994年、兵庫県生まれ。大学卒業後、株式会社マイナビに入社し、支社立ち上げから課長職までを経験。累計500社以上の採用支援に携わる。

2020年、株式会社アップデートを設立し、代表取締役に就任。「仕組みを変え、世界中の課題を解決し続ける」をミッションに掲げ、建設業・運送業・製造業を中心に採用支援事業を展開。
ショート動画やSNSを活用した採用支援を強みに、200を超えるアカウントの運用を支援。採用支援に関する講演活動も積極的に行い、実務と発信の両面から企業の採用課題解決に取り組んでいる。

現在はメガバンクなど金融機関とも提携し、大阪・東京・福岡を拠点に、全国の企業を支援している。

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